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偏頭痛と薬物療法

現状における偏頭痛に対して、最も行われている治療方法は薬物療法です。そして、偏頭痛に有効とされる様々な「発作治療薬」と「予防薬」が、次から次へ使われ始めています。ここでは偏頭痛に効く治療薬について、様々な視点から触れてみたいと思います。

○トリプタン系の治療薬=日本では、2000年に認可された治療薬です。血液に神経伝達物質:セロトニンが放出されると、血管が拡張し過ぎ偏頭痛を発症すると言われています。トリプタン系の治療薬は、拡張した血管を収縮する働きを持っています(=偏頭痛を抑える効果)。またトリプタン系の治療薬は、三叉神経(顔で最も大きい神経群)の圧迫も防ぐ効果が…つまり偏頭痛抑制に対して、非常に理にかなった治療薬と言えます。発作治療薬として有効とされるトリプタン系の治療薬…偏頭痛に伴う吐き気・嘔吐を防ぐ効果も…。しかし、あくまでも初期症状としての発作治療薬であることを認識する必要があります(偏頭痛の予防薬としての効果はありません)。何故なら、偏頭痛が酷くなった状態(アロディニア症状)になってしまうと、トリプタン系の治療薬の効果が出にくくなるからです。

○エルゴタミン製剤=エルゴタミン製剤も、血管を収縮させる作用があります。しかしトリプタン系の治療薬と違い、「前兆のある偏頭痛=頭痛が起こる以前に処方する」=つまり、予防薬として効果を発揮します。またエルゴタミン製剤を服用するにあたって、副作用が起こる場合も…吐き気・めまい・手足の痺れ…。そういう意味において、エルゴタミン製剤はタイミング良く服用することが、絶対条件だと言えます。そして、エルゴタミン製剤=予防薬⇒偏頭痛を恐れるあまり服用し過ぎる⇒毎日のように偏頭痛を発症する恐れも…(薬物乱用頭痛)

○カルシウム拮抗薬(きっこうやく)=カルシウム拮抗薬…よく聞く薬名ではないでしょうか。元々高血圧を抑える薬として使われていたのですが、偏頭痛にも効果があると1999年に認可されました(塩酸ロメリジン)。カルシウム拮抗薬は、偏頭痛の予防薬として服用されています。発作が上手く抑制され始めれば、薬の量を少しずつ減らしてください。(ちなみに、カルシウム拮抗薬を服用しても血圧に影響を及ぼすことはありません)

すべての薬に言えることですが、激しい痛みを発症する偏頭痛に対して過度の服用し過ぎは、身体に何らかの影響を及ぼすと考えられています。
何故なら、薬によって血管を収縮させる⇒全身の血管を収縮させることになるからです(=つまり、狭心症・心筋梗塞・高血圧といった症状を抱えている人には適していない)。薬を服用するならば、きちんと医師の説明を受けたうえで服用してください。病気に焦りは…絶対に禁物です。