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頭痛とくも膜下出血の意外な連鎖

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くも膜下出血の頭痛は「バットで殴られたような普段経験したことがないような激しい頭痛」だと聞きます。しかし、そうとも限りません。軽いくも膜下出血の場合は、風邪や副鼻腔炎の頭痛のような痛みの場合もあります。このような頭痛は小さなくも膜下出血が脳内で起こっていて、この小さなくも膜下出血を数回繰り返す場合もあるのです。

では普通の頭痛とくも膜下出血の頭痛をどう区別すれば良いのでしょう?
普通の頭痛は、いつの間にかの頭痛でも、考えると原因や前兆が思い当たるものです。ところが、軽いくも膜下出血が起こった時の頭痛は、痛みは普通の頭痛のようであっても、突然瞬間的に何の前触れもなく頭痛が始まって、その時何をしていたかを明快に説明できるのが特徴です。

私の知人に、くも膜下出血で入院したときに、MRIで「過去にくも膜下出血の経験がありますね。古いくも膜下出血の跡がありますよ」と言われたそうです。しかし、彼女は「くも膜下出血の経験はありません」というのです。しかし、家族の話では、5年ほど前に毎日頭が痛いと言って1週間ほど寝込んだことがあったそうです。彼女のくも膜下出血は軽かったようで、「自力でくも膜下出血を治した?」とその時は自分でも驚いたそうです。

彼女のケースは稀ですが、頭痛のひどい風邪だと勘違いしてしまうようなくも軽い膜下出血もあるのです。しかし、このような突発性の頭痛が何回も続くときは、偏頭痛持ちの人でも必ず病院に行きましょう。MRI検査をするとくも膜下出血が脳内で起こっている場合があります。

だから、いつもと違う突発的な頭痛が起こった場合は、内科よりは、「頭痛外来」のある病院に行くことをお勧めします

偏頭痛の緩和…暗い部屋で休憩

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偏頭痛には、さまざまな予兆があります。身体がだるい、イライラする、食欲が急に増す、身体がむくむ、生あくびが出るといった漠然とした前兆と、「閃輝暗点(せんきあんてん)」という、目の前で光がチカチカする、視野の一部にぎざぎざした歯車のようなものが現れる、視野が欠けるといったような、ちょっと恐い前兆もあります。

また、偏頭痛が始まると音や光が痛みを増すような感覚を伴ったり、動くと痛みが増すような感じがする場合もあります。まず偏頭痛が始まったら暗く静かな部屋で休息することをお勧めします。

それに、暗く静かな部屋で横になって目を瞑っているだけでも、眠りやすいものです。偏頭痛は短くても睡眠をとって目を覚ますと偏頭痛が治まっていることが多いのです。そのためにも、偏頭痛が始まったら頭痛薬を飲んで、30分でも眠るだけで頭がスッキリします。仕事中でも、仕事を中断できるなら、医務室等で少しでも休むと偏頭痛が解消して、我慢して仕事をしているよりもずっと仕事の能率がアップします。

また、カフェインを飲んで目を瞑って静かな部屋でジッとしているだけでもずいぶん症状は和らぎます。まずカフェインには、血管を収縮作用があるので、血管が膨張して神経に触って痛みを起こしている状態が解消されるわけです。カフェインの代わりに、氷嚢で冷やすことで血管を収縮させる方法もあります。

血管が収縮して痛みが治まるまで通常30~60分かかります。頭痛薬等の鎮痛薬を飲むと個人差はありますが、概ね20分でしょう。カフェインは人によっては10分ほどで効果がある人もいます。偏頭痛の痛みが治まるまで、安静にして暗く静かな部屋で休息するのが効果的です