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偏頭痛とストレートネックの関連性

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頭痛の症状がひどく、脳神経のクリニックや整体、整骨院などを受診した場合、「ストレートネック」と診断されることがあります。この、ストレートネックとはなんでしょうか?
 私たちの首は、1本に見えますが、じつはブロック状の骨が7つが組み合わさってできています。組み合わさった骨は、横から見るときれいなカーブを描いた曲線の状態になっています。頭を持ち上げ前を向いたときに、首の骨全体で頭をしっかりと支えるために、骨はカーブを描いているのです。ちょうど、植物の竹のようなイメージです。骨と骨が竹の節のようにつながっているため、つなぎ目を稼働させることで、しなやかに動かすことができるというわけです。
 ところが、首を一点で曲げたまま、同じ姿勢をとり続けると、そのまま首の周りの筋肉がこわばってしまい、首がまっすぐな状態で固定されてしまうことがあります。
 この、まっすぐな状態になってしまった首のことを「ストレートネック」と呼びます。
 首は、カーブがしなることによって、首にかかる頭の重さを逃がしています。ストレートネックになってしまうと、頭を動かした際に、頭の重さを支えたり逃がしたりすることができず、特定の骨や場所、神経に負荷がかかってしまいやすくなります。すると、頭痛を引き起こしたり、場合によっては、手のしびれなどの症状が出てしまうこともあります。
 ストレートネックは、パソコン作業やデスクワークなど、うつむいた姿勢で長時間過ごすような職業の方に多く見られます。最近では、若い方や子どもであっても、ゲームや長時間の勉強を行うことが少なくないため、ストレートネックの症状を訴えるケースが増えてきています。あるいは、バレエやダンスを習っていたなど、顎を引いたままの姿勢で長時間レッスンする方などにも見られることがあります。
 もちろん、ストレートネックの方が、必ずしも偏頭痛持ちというわけではありませんので、偏頭痛の症状とストレートネックの直接的な関連が「ある」とは言い切れません。
 ただし、猫背などの良くない姿勢がストレートネックを引き起こすことで、首こり、肩こりなどの血行不良や過緊張を起こし、緊張型頭痛を誘発、その結果、偏頭痛を招いてしまう…というケースが少なくないことは、また事実です。
 仕事などで、長時間同じ姿勢をとることが多い、とくにデスクワークなどでうつむいた姿勢で過ごすことが多い方などは、仕事中でも、休憩の際に首を動かすなど、首がしなやかに動くよう注意をはらいたいものです。

偏頭痛の起きる部位…右側、左柄、目の奥

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いちど発作が起きると激しい頭痛で居てもたってもいられなくなる偏頭痛ですが、頭の痛くなりやすい場所(部位)には、法則や、偏りなどはあるのでしょうか?
 とくに偏頭痛の痛みの出やすい場所としては、こめかみ、側頭部(片側あるいは両側)、目の奥、の3カ所が挙げられます。あるいは、おでこ(額)や、頭頂部なども、よく偏頭痛で痛みを訴えやすい場所と言われます。偏頭痛の痛みの特徴としては、脈拍、拍動にあわせてドクンドクンと痛むこと、軽い場合は数時間、重い場合は1週間ほど、痛みが続く場合があることなどが挙げられます。
 偏頭痛は、もともと緊張性頭痛(筋肉のこわばりなどが原因で血行不良になることで起こる頭痛)が引き金になり、誘発されることが少なくありません。緊張性頭痛は、書いて字のごとし、筋肉を過剰に緊張させ続けることで起きる頭痛ですが、とくに、目を酷使する現代人は、外眼筋(目の周りの筋肉)を過剰に緊張させてしまうことが多いため、眼精疲労を引き起こし、結果、目の奥のズーンとした重い不快感や、目の奥が痛む頭痛、目を圧迫するような頭痛を招いてしまうことがあります。
 それを放置すると、今度は、眼筋の緊張を感じる目の神経、三叉神経第一枝を刺激し続けてしまい、結果、目の周りの部位…眉周辺、眉間、額、こめかみへと痛みが広範囲に連鎖してしまうこととなります。また、日常的に目を酷使する職業の方というのは、パソコン作業などデスクワークに従事している場合が多いです。同じ姿勢で長時間作業を行うことが多いため、肩こり、首こりなどの症状を訴える場合も多く、そこから関連して、後頭部にかけて痛みの症状が出てしまうことも少なくありません。
 いずれにしても、頭痛の原因の多くは、目の酷使や眼精疲労、あるいはそこから波及しているというケースが多く見られます。痛みがすでに起きてしまっており、激しい場合は、痛み止めなどで症状を抑えることが大切ですが、疲れたときだけ痛むなどの慢性頭痛の場合は、できるだけ普段の生活改善などで、頭痛が起きにくいコンディションに整えることが大切です。
 とくに、職業柄目を酷使することが多い方や、目の周りの筋肉が疲れた、目の奥が重い・だるいなどの自覚症状がある場合は、あまり無理をしないことが重要です。違和感を感じたら目をつぶって休めたり、目の周りの筋肉をリラックスさせる目薬をさしたりするなど、早めに処置をして、症状を悪化させない、頭痛を引き起こさないように先手を打つようにしましょう。

心疾患と偏頭痛の関連性

偏頭痛の誘因・原因をつきとめる No Comments

医学会では以前より、心臓の障害と、脳卒中などの血管の障害、そして偏頭痛との関連性について研究されてきました。

 最近のある研究では、偏頭痛の発作を持つ人は持たない人に比べ、心臓発作を起こすリスクが約2倍、その中でもとくに、発作の前になんらかの前兆(おもに、閃輝暗点と言われる、チカチカしたフラッシュのような視覚障害)を起こす人については、起こさない人に比べて約3倍もリスクが高いという報告もなされています。

 なぜ頭痛、とくに偏頭痛が、心臓病のリスクにつながるのでしょうか。

 実際のところ、具体的な関連性については、詳しくはまだわかっていません。ただし、ひとつの可能性として、「アテローム性動脈硬化症」の目安になる、偏頭痛発作があるのではないかと言われています。

 アテローム性動脈硬化症とは、動脈硬化の一種で、高血圧や高血糖などで血管の内膜が傷つき、そこに血中コレステロールがたまり、アテローム(粥状の固まり)になることで血管が硬化してしまう症状のことを指します。アテロームで硬化した血管とは、例えるならば、内側が泥で汚れて詰まったホースのようなもの。内側が汚れたホースは、水を流そうとしても詰まって破裂してしまいますよね。同様に、アテロームの蓄積で細くなった血管は、血栓を詰まらせやすいため、動脈硬化を引き起こしやすいのです。

 偏頭痛は、脳や頭部表皮の血管が急激に拡張し、その周囲にある神経を過剰に刺激してしまうことで起こる頭痛と言われています。偏頭痛はそのメカニズムがまだ明確になっていない点も多いため一概には言えませんが、硬化した血管が、拡張や伸び縮みに付いていけなくなることで、頭痛を引き起こしている可能性が考えられます。

 もしこの仮説が正しいとすると、偏頭痛の患者の多くは、弱った血管であることが多いとみなされ、ということは、心臓の血管も弱っていることが考えられます。したがって、心臓病や心疾患、心筋梗塞などを合併して引き起こすリスクが高いのではないか、と考えられるのです。

 もちろん上記の説は、「偏頭痛の発作を持つ方が必ずしも将来心疾患を患う」ということではなく、あくまで仮説です。しかし、偏頭痛の発作や、血管の梗塞の有無にかかわらず、できるだけ高コレステロールな食事は避け、血圧に気を配った生活を送る方が、健康的な将来を迎えられることは間違いありません。

 今現在で偏頭痛の発作を持つ方も、そこまで深刻な症状ではない方も、あるいは高血圧や高脂血症など血管に疾患を持つ方は、いちど、動脈硬化の予防を行ったり、ストレス解消を行ったりするなど、血管に負担のかからない生活を送れているかどうか、生活習慣の見直しを行うといいかもしれません。

メンタルヘルスと偏頭痛の関連性

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偏頭痛は、脳の血管が拡張し、その周りにある神経が刺激されることが原因で起こると言われています。こめかみ、額、目の奥が脈打つようにドクンドクンと痛み、ひどいときには吐き気をもよおしたり、実際に吐いてしまったり、日常生活が送れなくなる場合もあるほどつらい症状をともないます。

 しかし、そんなつらい偏頭痛は、体が緊張して起こる「緊張型頭痛」がきっかけで引き起こる場合も少なくありません。

 緊張型頭痛は、文字通り、体がこわばり、リラックスできない状態が続くことで起きてしまう頭痛。この緊張型頭痛は、短期的な疲れなどが引き起こす場合もありますが、症状が慢性化している場合は、自律神経の乱れが疑われます。早めに気づき、自律神経を回復させるように努めましょう。

 では、自律神経の乱れとはなんでしょうか。

 人間の生理機能は、交感神経と副交感神経という、おおきな2つの自律神経によってつかさどられています。交感神経は、体を目覚めさせ、神経を高ぶらせ、活動的にする神経。自動車に例えるとアクセルの役割です。反対に、副交感神経は、からだをリラックスさせ休ませるためのもの。同時に神経も休ませます。自動車でいえばブレーキのようなものです。

 私たちの体は、朝、目が覚めると交感神経が活発になり、エンジンがかかって活動的になります。時間が経ち夜になると、今度は副交感神経が優位になってリラックスモードになり、眠ります。このサイクルによって成り立っています。

 しかし、昼夜逆転などの不規則な生活、過度なストレスなどのさまざまな原因により、自律神経のバランスが乱れてしまうことがあります。自律神経が乱れると、朝なかなかエンジンがかからなかったり、逆に寝てはいけない昼間や仕事中に過剰に眠くなってしまったりなどの症状がおこります。それだけでなく、必要以上に気分が落ち込んで戻らなくなったり、逆に夜でも目が冴えてしまったりなど、メンタルヘルスへも不調をきたすことがあります。

 ひとつの目安ではありますが、眠れない夜が続いたり、それによってメンタルも落ち込んでしまったりした場合は、意識的に体を安め、ストレスの原因になっているものを避けるようにして、なるべく早く自律神経の調子を回復させるように努めましょう。体の緊張が慢性化してしまうと、頭痛までも癖になりやすいばかりか、つらい偏頭痛も引き起こしかねません。おおきなストレスなど、心や体に過剰な負担がかかってしまったときには、無理をせず、はやめに休養をとるのが大切です。