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偏頭痛の原因~遺伝子異変~

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私たちを悩まし続けている偏頭痛は、発症した人でなければわからない辛さがあります。

そして現在、偏頭痛患者は世界中で3億人を超えたといわれています。
(※女性:6人に1人 男性:12人に1人)

そんな偏頭痛に関して、新たな原因が突き止めらようとしています。それは「特定の遺伝子変異」です。

フィンランド/ドイツ/オランダといった国際研究チームの発表によると…

偏頭痛患者の遺伝子情報(ゲノム)と偏頭痛を発症していない人の遺伝子情報を比較してみると、
「25%にも及ぶ偏頭痛患者の遺伝子情報から、偏頭痛を抑制すると考えられている遺伝子の変異が発見。」されたのです。

そしてその遺伝子は、「神経伝達物質のグルタミン酸に影響を及ぼしているEAAT2というタンパク質を制御する。」ことも確認されています。
(※ちなみに、哺乳類の脳に最も多く存在している神経伝達物質はグルタミン酸です。)

つまり今回の発見によって、初めて偏頭痛と遺伝子変異の関連性が認識されたわけです。

実際のところ、偏頭痛を完治する治療法は見つかっていないのが現状です。
(※偏頭痛を治癒する治療法は、すでに確立されていますが…)

今回の遺伝子変異の発見によって、偏頭痛に対する新たな治療法が確立されることを願います。

頭痛の分類・種類

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みなさんは、頭痛についてこう思っていませんか…「頭痛に種類なんてあり得ない。痛みも変わることはない。」と…それは大きな間違いです。頭痛による分類・種類は、明確に定義付けされているのです。まず、頭痛は大きく2つに分類することができます…症候性頭痛と機能性頭痛です。

○症候性頭痛…頭痛を引き起こす原因として、何か別の病気が関与している場合を指します。例えば脳疾患障害(脳内出血・クモ膜下出血等々)・副鼻腔炎・眼疾患といった原因によって、頭痛が引き起こされる…

○機能性頭痛…頭痛に悩まされているため、頭部を検査したとします。しかし、病的根源は全く見受けられない…つまり、病変はないにも拘わらず慢性的な頭痛に悩まされる症状を指します。そして機能性頭痛は、3つの種類に分類することができます…それは偏頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛です…

●偏頭痛…「ズキンズキン」と鋭い痛みが、頭部の片側に発症する症状を言います。「前兆のある偏頭痛」と「前兆のない偏頭痛」があり、酷い場合には吐き気・嘔吐を繰り返してしまうこともあります。また偏頭痛は、血管性頭痛とも言われています(血管性頭痛=頭皮の血管(動脈)の拡張が原因で、激しい頭痛を伴う症状)。
●群発頭痛…偏頭痛は10歳代(思春期)から発症しますが、群発頭痛は20~40歳代の男性に多く見受けられる激しい頭痛の症状です。群発頭痛の特徴として、片側の目(の奥)・側頭部に針で突き刺すような痛みを生じます。群発頭痛が酷い症状の場合、同じ側の目が結膜充血・流涙などの伴うこともあります。一度、群発頭痛を引き起こすと1~2時間で痛みは引きますが、その痛みが1~2ヶ月間続きます。そして1~2年の周期をおいて、繰り返される特質を持っています。
●緊張型頭痛…頭痛で悩まれている70~80%の人が、緊張型頭痛を発症していると言えます。普段、私たちも何気なく肩を触って、首をグルグル回し「今日は肩が凝ったなぁ。首も回すとゴリゴリ音も鳴る」…このように後頭部~頸部(首)・肩にかけて、筋の緊張状態によって起こる頭痛の症状を指します。偏頭痛のような鋭い痛み・吐き気・嘔吐は起きませんが、酷い症状の場合、頭を締めつけるような痛みを発症することもあります。

このように頭痛といっても、何気ない日常生活の中で起こりうる頭痛もあれば、脳血管障害の起因によって頭痛を発症するものまで、様々な種類があるのです。私たちが頭痛を発症した場合、こうした症状をチェックすることで予測をつけることは出来るかもしれません。しかし、頭痛が長期間続くようであれば、治療院でしっかり診察を受ける必要があります。

前兆のある偏頭痛・前兆のない偏頭痛

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頭のこめかみ部分を襲う偏頭痛…その偏頭痛は、「前兆のある偏頭痛」と「前兆のない偏頭痛」の2タイプに分類することができます。そして偏頭痛の割合として、「前兆のある偏頭痛」=15%/「前兆のない偏頭痛」=85%だと言われています。
「前兆のある偏頭痛」には、必ず頭痛が発症する前に「前触れ的変化」があります。その「前触れ的変化」とは、一体どのような感覚なのでしょうか。

○偏頭痛の前に光のフラッシュに包まれる[閃輝暗点(せんきあんてん)]…
閃輝暗点は、個人によって違います。「ステンドガラスのようにキラキラ光り輝く」「水面に太陽光が反射して光る」「星が無数に光り輝く」…ある種、メルヘンチックな光景が目の前を覆っていきます。そして20分~1時間後、強烈な偏頭痛に襲われる…(閃輝暗点=偏頭痛の前兆現象として現れる症状です。そして視野の片側、もしくは視野の中心部が見えにくくなります。)

○閃輝暗点以外の偏頭痛の前兆…
偏頭痛の前兆として現れる閃輝暗点は、約30%と言われています。そして約70%の場合、個人の微妙な体調変化でわかると言われています…「急にアクビの回数が多くなり、
眠たくなる」「肩こり・身体全体のむくみ・めまいに襲われる」「異常なほどお菓子などが食べたくなる」「情緒不安定(意識障害)=イライラしたり、落ち込んでみたり」「手足の痺れ・脱力感」等々…とにかく、個人によって様々な前兆があるようです。

ただし偏頭痛の前兆があったからといって、必ずしも偏頭痛を発症するわけでもありません。もちろん、治療院・医師の施術・薬物療法といった手助けもその一因だと思いますが…これも明確な原因は掴めていません。しかし閃輝暗点の規模が大きければ大きいほど、間違いなく偏頭痛は発症します。
また、海外で「前兆のある偏頭痛」患者に対する統計として、次のようなことが発表されています(女性対象者のみ)。「虚血性脳卒中や他の虚血性血管による死因が、頭痛持ちではない女性と比べて約2倍もある。」と…
そして「前兆のない偏頭痛」の場合、次の事が挙げられます。
「前兆のある偏頭痛」と比べて、頭痛の起こる回数が多い・痛みの度合いも激しい(脈打つような痛み)・頭を動かすと、吐き気をもよおすことも…とにかく、「前兆のない偏頭痛」は耐え難い痛みを発症するのです、それも頻繁に…(=鎮痛薬を飲まずに入られない)。
どちらにしても、自分自身で「どうも偏頭痛の兆候が見られると」と思ったのであれば、専門治療院に行くことをお勧め致します。その前に、偏頭痛に対してきちんとした理解をしたうえで…

偏頭痛について

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みなさんは、次のような光景を見たことがないでしょうか…駅の待合室で、女性が頭を抱え込むような仕草でうなだれ、全く動かない…
頭のこめかみ当たりを激しく脈を打つ(頭の後頭部が痛むケースも)…「ズキズキ」「ガンガン」(死ぬほど頭が痛い)…頭痛に悩まされている人でなければ、この症状・気持ちはわからないと思います。そして、いろいろな頭痛の中で最も厄介な症状…それが偏頭痛(片頭痛)なのです。

偏頭痛は10~20歳代(=思春期の頃)から、急に発症し出します(原因はわかっていません)。そして偏頭痛を発症してから、成人になっても悩まされ続けている割合は約8%もいるのです。…いわゆる「頭痛持ち」と言われている人たちです。また、偏頭痛は男性より女性に多く見受けられる症状で、その患者数は約4倍にも及ぶとも言われています(この原因も、未だ解明されていません)。

偏頭痛の大きな特徴として…
・偏頭痛は2通りのタイプに分類されます…「「前兆のある偏頭痛」と「前兆のない偏頭痛」…
・偏頭痛が始まると短い場合なら数時間、長い場合は数日間…偏頭痛に悩まされ続けます。
・偏頭痛が治まると、「それまでの痛みがウソ」であるかのように、完全に消えてしまいます。

偏頭痛はこうした特徴があるため、「痛み出した時だけ、鎮痛薬を処方する」「痛み始めたら、我慢し続ける」…実際、このように偏頭痛に対応している人が多いようです。ある意味、「鎮痛薬・我慢(できる痛み)」でコントロール出来るのであれば、問題はありません(それ以上悪化しなければ)。

しかし、偏頭痛を「たかが頭痛の一種に過ぎない」と、絶対に高をくくってはいけません。「痛みが頻繁に発症するようになる」「市販の鎮痛薬が効かなくなる」「毎日、鎮痛薬を処方するようになる(鎮痛薬中毒)」⇒つまり、日常生活を脅かすほどの強い痛み(ときには吐き気)(痛みの余り、寝こんでしまう)を、発症するほどの怖さも含んでいるからです。このような症状になるまでに、必ず治療院(施術のスペシャリスト)・医師に相談してください。とにかく、自分自身の判断のみで偏頭痛を解決してはいけないのです。
偏頭痛は、一生向き合っていかなければならない病気でもあります(残念ながら、現在の医学では「完治」に至っていません)。しかし偏頭痛に対して正しい認識をもち、上手く対応し続けることで偏頭痛を最小限にとどめ、より快適な日常生活を送り続けることもできるのです。